神奈川県川崎市「アッと等々力フェス」パラテニス体験会への参加について 6月29日(土)
神奈川県川崎市の等々力緑地一帯において開催された、川崎市市制100周年記念事業「アッと等々力フェス」の企画として 公園内の屋外テニスコートにてパラテニス合同体験会が実施され、 日本テニス協会「多様化テニス委員会」を通じてお声かけいただき ブラインドテニスも参加させていただきました。
JBTFからは、理事の三輪佳永氏、前理事で、日本テニス協会「多様化テニス委員会」 に委員として参加している杉本が運営スタッフとして参加したほか、 体験者への球出し役としてJBTF関東地域協会の守口透氏、 B1クラスのエキジビションとして行本裕樹選手にもご協力いただきました。
コートは横並びに10面ほどあり、ブラインドテニスは、音の環境を考慮し イベントの人通りから離れた一番奥のコートを割り当てていただき、 また隣のコートもデフテニスという配置にしていただきました。
今回、サーフェスは砂入り人工芝ということもあり、 ラインの設置や、プレーへの影響など、 私たち自身にとっても貴重な体験会となりました。
ラインは、体験用にB1コートサイズ(レッドコート)を片側のみ設置し、 ベースラインは、既存のサービスライン(ネットから6.4m)を活用して、 タコ糸の上に黄色の養生テープを貼りました。
今回は砂を寄せずに貼ったこともあり、若干接着の弱さはありましたが、 体験会の範囲では一日使用することはできました。
なお、当日は会場入りしたときまで小雨が降っていましたが、 水はけはよく、準備の頃にはラインの設置に支障がない状態でした。
一方、プレーに関しては、サーフェスの性質から、 ボールの弾み、バウンドの高さが懸念されましたが、 体育館と比べて、それほど不足はない(低くならない)範囲でした。
また、スポンジボールへの砂の付着については、 厳密には多少残っていたとは思われますが、 体験会の間、ラリーを続けるのに支障はない範囲でした。
音の環境に関しては、大規模イベント会場の一角ということで、 和太鼓演奏やアイドルのコンサートなどの環境音があり、 相手プレーヤーの打球音が聞こえづらいといった状況でしたが、 自身のコート内ではボールの音を聞くことはできる範囲でした。
以上のような条件のもとでしたが、 エキジビションの行本選手は、慣れるため開会前に10分ほど練習をした後、 体験コーナーの各回、普段の競技大会のときと同様の 粘り強いラリーを見せてくれました。
ただ午後の後半、風が出てきた時間帯があり、 やはりスポンジボールの軌道は影響されやすいため、返球に苦戦する場面もありました。
他方、球出し役の守口さんによると、雨上がり、日差しも強くなり、 まぶしさのため視覚的にボールを認識することが難しかったようです。
この点は、屋外コートの利用に向けて、 弱視プレーヤーに関しては、スポーツ用サングラスの使用感など、 引き続き試行しながら検証していく必要があると感じました。
パラテニス体験会は、事前の申し込みは少人数でしたが、 当日、イベントの他の企画を目当てに訪れていた方もお立ち寄りいただき、 中には、スポーツの服装ではない普段着の学生さんも含め、 ブラインドテニスのコーナーには合わせて約20名ほどが参加され、 全員、アイマスクをしてリターンやサーブ、 サーブからの3球目の返球に挑戦されました。
合間に、行本選手のエキジビションも見ていただき、 普段ご自身もテニスをされているという学生さんは、 「どのようにボールの軌道を認識してプレーしているのでしょうか」 と興味を感じられた様子でした。
このような、一般の方向けの体験会、特にパラテニス合同の企画は、 ブラインドテニスにとっては、参加者の方々への紹介だけでなく、 ほかのパラテニス関係者との交流も通じて、 ブラインドテニスの価値、位置づけについても再認識する 貴重な機会になっていると考えています。
また今回は、砂入り人工芝という経験の少ないコートでの実験でもあり、 ハードコート、カーペットコートに続いて プレー可能な会場の可能性を広げていくことにもつながり、日本国内でのブラインドテニスの普及にとっても有効だったと思います。
引き続き、各地域での取り組みもご共有いただきながら、ブラインドテニスの普及にご協力ご支援いただければ幸いです。