2007年9月15日から9月17日の日程で韓国での普及活動に参加させていただきました。
簡単ではありますが、普及活動の内容につきまして、私なりにご報告いたします。

韓国での普及活動に参加したのは、松居さん、テニスコーチの日吉さんと秋田さん、武井さん、佐々木さん、桂田の6名です。
秋田さんと私は、15日の午後の便で日本を発ちましたが、その間に関東から先発された皆さん(松居さん、日吉さん、武井さん、佐々木さん)は木浦盲学校での普及活動をしてくださいました。

木浦盲学校でのデモンストレーションは10時~14時に行いました。
午後7時、ソウル(南大門パレスホテル)で関東の皆さんや韓国でのコーディネートをしてくださる金教成さんと合流しました。

翌16日は、午前11時にホテルを出発し、ハンティ盲学校の下見とコートの設営を行い、シングルスや韓国の晴眼者の方々とのダブルスで軽く体を動かしてみました。台風が近づいていると言うことで、雨音によるボールの音の聴きづらさが懸念されました。

午後4時から6時まで、屋内テニスコートでハンディキャップテニスのボールを用いたダブルスを行ったり、晴眼者の方のテニスを観させていただいたり、テニスボールのレシーブを体験することができました。私は晴眼者の方にサポートをいただいて、テニスボールのレシーブを体験させていただきましたが、武井さんは晴眼者の方のサポート無しにサーブやレシーブをしておられました。

ハンディキャップテニス用のコートと、通常のテニスコートで、スポンジボールを用いてのダブルスを体験して思ったのは、普及や交流の目的でのダブルスの可能性の広さです。
厳密な競技としてのダブルスは、現状ではハンディキャップテニス用のコートを体育館に設置して、と言うのが好ましい形ではありますが、交流や普及や遊びと言う観点で捕らえれば、場所を問わずにダブルスが行えるのではないか?と言う思いを、私としては持ちました。

午後7時からは金教成さんを始めとする韓国の皆さんや、金教成さんと私たちの橋渡し役をしてくださった中村さんと一緒に夕食をさせていただきました。
韓国での食事やショッピングについては一筆書きたいところではありますが、そこに筆を進めてしまうと、テレビのグルメ番組や観光ガイドブックのようになってしまいますので、割愛させていただきます。

ホテルに帰ってからは、翌日のハンティ盲学校でのデモンストレーションについてミーティングを行いました。木浦盲学校でのデモをしてくださった関東の皆さんの体験や実感を踏まえて、熱いミーティングが行えたような気がします。

翌17日、8時半にホテルを出発した私たちは、ハンティ盲学校に向かいました。
盲学校到着後に私たちは校長先生とお会いし、視覚ハンディキャップテニスについての思い等を話しました。校長先生も熱心に私たちの話を聞いてくださり、このテニスをとても楽しみにしておられるご様子でした。

午後10時、デモを開始しました。校長先生の挨拶に続き、私たちの挨拶、金教成さんの挨拶、それから日吉さんにお相手いただき武井さん佐々木さん私がラリーをし、その後に武井さんVS佐々木さんのシングルスの試合、それから私も参加させていただいてのダブルスの試合を観ていただきました。
その後韓国の学生さんに実際にボールやラケットに触れていただく体験をしていただきました。

講習会全体を通して私が感じたことは
第一には、韓国の皆さんのこのテニスに関する関心の高さと情熱の強さです。韓国の皆さんは笑顔で全身でもってこのテニスを感じてくださっているように感ぜられました。
第二には、関心や情熱に通ずることではありますが、韓国の皆さんの実行力の迅速さです。ハンティの校長先生は今年中に何らかのテニス大会を開催し、来年には韓国の全国大会を開催したい!との構想をお持ちのようです。

木浦盲学校、ハンティ盲学校で延べ人数200名近くの皆さんにご参加をいただき、とても有意義な活動ができたのでは、と思っています。最後に、私が今後の課題として思うところを述べさせていただきます。

今回の普及では、3名の全盲者に対して3名の晴眼者と言うメンバー編成で韓国に赴くことができました。今後の海外普及に当たっては視力障害者と晴眼者が同数のメンバー編成で臨むことが好ましいように感じます。不慣れな海外普及で、現地での移動だけでも晴眼者1名に複数の視力障害者と言うスタイルで移動をしたのでは晴眼者への負担が過大になります。単なる観光旅行で不慣れな海外を移動するにしても、不慣れな場であるが故に晴眼者だからと言ってスムーズに移動ができるとはかぎりません。その上に視力障害者をサポートしつつの移動とあっては、更には時間厳守の普及活動にあっては、晴眼者と視力障害者が同数で各ペアでの行動ができるよう環境整備、人員整備が必要であろうと考えます。

更に、今後活発な海外普及をなすには、資金面での対策が必須となります。継続的に淀みなく普及を続けるには、自己負担が多大であっては普及への障壁になることは否めません。多くの協会員に海外普及活動の重要性をご理解いただき、協会員からの支援金の協力体制の確立が求められます。熱意のある一部の者だけが自己負担をさいて、海外普及を行うのであるなら、持続的な普及はなし得ないと考えます。

視覚ハンディキャップテニスを生んだ国の活動家として、日本の協会が海外の皆さんに胸を張れるような心構えと、熱意の持続が肝要であると考えます。イギリス、韓国と2カ国にテニスを紹介した現在、海外の皆さんの熱意に日本の活動状況が追い抜かれるのではなかろうか?と言う懸念が私の胸に去来しています。これは今回韓国に赴かれた他のメンバーの皆さんにも、そのような実感がおありなのではないでしょうか。普及は普及部がやれば良い、と言うのは役割の分担と言う観点では当然のことかも知れませんが、業務の分担と言うことと、業務の丸投げとは異質な物だと考えます。各専門部に種々の仕事を丸投げにしておいて、各の活動に関しては無関心である、と言ったような風潮が続けば、日本の協会組織は空中分解してしまうことは言うまでもありません。情熱の持続には連携が必要ですし、その連携の要としての存在は何であるのか?と言うことは明確であるべきだと思います。

私のような拙い者に、今回の韓国普及の一員としての大役をくださいました皆さんに感謝しています。
報告書と言うには粗末な文書ではありますが、取り急ぎ韓国からの帰国後のお礼とご挨拶を兼ねまして、簡単な報告とさせていただきます。